第8回_フードビジネスサポートコンサルタント_6_想い出②
今回は、回転寿司での想い出について解説していきます。どうぞ最後まで読んでください。My's Life Japanでは定期的に発信してまいります。
【結論】
時代の流れと共に回転寿司業界も変化してきている。生き残りをかけ変化し、人を大切にする、成長し続ける事が大事なのではないか。
【回転寿司との出会い】
わたしが回転寿司を始めてみたのは、まだ小学生の時でした。当時福島県会津若松市に住んでおり、そこにあったのは「廻る元禄寿司」と言う名前のお店です。回転寿司は当時として珍しく、今のようにオーバーストア化しておりませんでした。子供ながらに連れて行ってもらった時は嬉しく、海苔巻きや玉子を頼んだりしていました。
【回転寿司チェーンに出会う】
わたしは、回転寿司チェーンと出会いました。そこでは、子供の時のような小さな回転寿司とは異なり、お店も大きく、駐車場も完備され、今までにない形の営業スタイルでした。わたしは、当時回転寿司に興味もあり、会社面接を受け、合格し、入社することになります。
【回転寿司チェーンに入社】
回転寿司チェーンに入社します。入社時は研修センターにて基礎教育を受け、そこから店舗配属になります。配属先の店舗では、社員3名、店長+わたしでした。それにパートアルバイトでしたので、今考えればFLコストを多く使用していたことが分かります。
店舗での仕込み作業もありますが、すでに会社には流通センターが完備されていました。そこから、食材、舎利、備品まで送られてきます。配送も出店数を増やす事で物流コストを低減させる事を行っております。
チェーン理論に基づいて行われておりました。研修もチェーン理論に基づいて行われています。チェーン理論教育の基礎になっているのが「ペガサスクラブ(日本リテイリングセンター)」です。当時、成長しているチェーン店は全てペガサスクラブの会員であり、そこで学ぶ事がチェーン化、ビックストア化を加速させるために必須でした。
この時点で、ペガサスクラブがいかに大きな影響力を財界に持っているか知る事はありませんでした。
【人との出会い】
わたしの勤めていた最初の勤務先で、2回スカウトを受けています。引き抜きです。
一つ目が、お寿司屋(職人のお店)、2つ目が焼き肉屋さんです。
共に、お店に来られていた常連様でした。わたしは、回転寿司レーン(レーンとはお寿司が回るコンベアのこと)中にて寿司を握ってお客様を接客していた時に知り合ったお客様でした。わたしは、自分の持ち味である「笑顔」でお客様と接して会話をしながら仲良くなり、相手のお店にも食事に行かせて頂いたりしました。
結論はお断りさせて頂いております。勿論丁重にお断りしました。ですが、このように「わたしと言う人物を好きになって頂き、共に働いてほしい」と相手から言われたのは非常にうれしかったです。
2人のスカウトとは異なり、このお店の店長はとても優秀な方でした。
チェーン理論をしっかり学ばれ、コミュニケーションも上手、かつ職人的要素もあり、衛生管理、原価管理、従業員教育を行っておりました。1番大好きだったのは人間力です。イニシャルはI・Sさん。わたしはいまだに尊敬している方であります。退職する時から音信不通となりましたが常に尊敬しています。
【研修、資格試験】
はじめに研修について
会社では研修施設を完備しております。定期的に集まり研修を受ける事もありました。研修コーチは「教育課」です。当時の教育課課長は非常に優秀な方です。論理的に考え、チェーン理論に沿って教育をしていくれます。研修は集合教育(OFFJT)、公休日に自主的に集まり勉強する「勉強会」、昇進などの際の「管理者候補教育」などがあります。
全て計数に関する事から、人事労務管理に関することまで、チェーンとしての考え方を学ばせて頂いておりました。当時会社として「ペガサスセミナー(日本リテイリングセンター)」の会員となっており、ペガサスセミナーで学んだ事を私たちに教えて下さることでした。
次に資格試験です。
こちらは実技と筆記です。実技は試験官が店長となります。お寿司が規定時間に決められた方法でいくつ作れるかをタイム計測します。例えば、マグロの仕込みだった場合、規定時間で何枚切れるかを競います。終わると1枚1枚グラム数と見た目を確認され、規定数値と枚数であれば合格となるわけです。
お寿司の場合は、規定時間に何個握れるかになります。試験が終わると、1個ずつ計測します。舎利のグラム数、ワサビの付き具合、握りの見た目も審査対象になります。
当時のわたしはその試験に合格し晴れて副店長(当時の呼び名で"次長")となります。
わたしがいた時と異なり、今は試験スタイルも変化していることと思います。
【副店長になって】
副店長になり、いままでお世話になって店舗を離れることになります。ここでパートアルバイトさんがいる事のメリットが出ます。それは送別会を行ってくれたことです。嬉しくて泣けてきます。さらにサプライズだったのが、"告白"されるという事もありました。余計に離れるのはつらくなります。
次の店に副店長として異動になります。人間関係の整理と構築からスタートします。今までは社員でしたが、今は管理職。そのため、自分はパートアルバイトさんとコミュニケーションを取ることを重点にしました。コミュニケーションをとる事の大切さを痛感していたからです。
回転寿司では1店舗あたり、従業員が30名以上います。全部の従業員に稼働計画表を設定し動かす事が義務付けされています。勿論チェーン理論に沿ってです。
当時の教育は「ビデオマニュアル」でした。従業員はバックヤードにあるビデオを見て学ぶことなっておりました。
人間関係は様々です。今では考えられない光景「●●ハラ」も目にしました。古い考え、人を大切にしない考えがこちらの店舗で見えてしまいました。当時、店長が定期的にカウンセリング形式で、相手の考え方を聴いてまとめるレポートがありました。しかし、店長によって人としての本質を見ていないのだとつくづく実感。相談しても心から聴いて頂けない状況があり、このままでよいのか?葛藤が生まれます。
【退職、別な道へ】
わたしは回転寿司業界を去りました。それ以降回転寿司業界に一度も足を入れていません。今では大手の回転寿司チェーンは沢山出ています。たまに食べに行くと当時を思い出しますが、機械化が進んでレーンの中で握っている光景はほぼ無くなりました。残念ですが原価管理の上で必須であり、当然であると思います。品質が全く違う、廃棄が無くなるとよい事ばかりです。
そのあと、ラーメンチェーンの世界に行くことなります。
【回転寿司で学んだこと】
回転寿司業界で学んだことは「チェーン理論」「計数管理」「人間関係」です。お寿司を作る事はもともとできていましたので苦ではありませんでした。チェーン展開をする会社では社員に対し会社の理念を共有させ、経営の数値を理解させ、会社を発展させるために教育するのであることを知りました。
【まとめ】
回転寿司で働きながらチェーン理論を学ばせて頂いたことは感謝ですし、自分の大きな財産です。人間関係も学ばせて頂いたことも財産です。一つ一つの環境の中で経営に関する学びを習得し、自分で生かす事をもって働くとより違った世界になると思います。ポジティブに生きる事が大事です。