第25回_期待値のずれ、飲食店の陥るわな

おはようございます。今回は「期待値のずれ、飲食店の陥るわな」でございます。期待値のずれとは何なのか?飲食店の陥るわなとは何なのか?について解説していきます。

【結論】

商品価値を高めるために見直す事は、商品回転数が低くなった商品在庫であります。いつの間にか在庫が劣化し商品価値を生まない状態でお客様へ提供されてしまい、お客様が離れていく事に気が付かない状態でいます。見直しをして下さい。

【お客様が考える期待値と店舗側の期待値】

お客様の期待値は高いです。メニュー表を見てこの店のこの商品を食べてみたい!と思って入ります。既にお客様は「メニューを見る」この行為から既に期待値を高めているのです。メニューは店により外にあったりもします。場合より「食品サンプル」として飾ってあります。これをお客様が見た時に自分のイメージするものと同じなのか?異なるのか?を判断し入店を決めます。

入店してからもお客様の期待値は高まる一方です。店内のメニューを見て何を感じるか?ただ単に書かれている商品名と価格だけを見ているのではありません。メニューが綺麗なのか?写真は分かりやすいか?なども見ています。ここで期待値をさらに膨らませます。そしてメニューから従業員を呼び注文をします。

注文した際にも期待値が上がります。「この従業員なら安心」「この従業員なら丁寧」「この従業員なら清潔感ありそう」などと期待を膨らませます。お客様の考える期待値は高いのですが、この高い期待値にどうこたえているのか?が問題になります。

一方で店舗側は、自分たちで用意したメニューを見て頂き、入店したらお冷を出し、注文を聞き、商品を持っていく、一連の作業になっている流れのまま進めています。これが盲点になっています。今のコロナ禍はお客様の期待値に合う店舗の価値観を提供できていないのです。

【ご飯の話】

とある飲食店、写真の見た目も綺麗でありますし、価格設定も高くはありませんでした。しかし、お客様はおりません。なぜ?と思いながらも入店しました。商品が出てくるとボリュームもあり見た目も非常に良い感じです。しかし食べてみて一変、ご飯(ライス)が美味しくありません。よく家庭のご飯で前日から保温ジャーに入っていると蒸れたような少し匂う時があるかと思いますが、まさにその状態のものでした。

これは致命傷!だからお客様が居ないのだなと思いました。50メートル先に同じような飲食店があるのですが、こちらは価格帯的に少し高めでありますが、お客様が入っている状態。写真の見た目も良く、商品が来て食べてみたら、肝心なご飯が美味しくないのであれば、リピーターにならなくなります。食後のデザートで提供されてもメインであるご飯が美味しくなければ、二度と行かなくなるのは必須になってしまいます。

お客様が来店され、即対応出来るようにご飯を炊いて保温しているのだと思いますが、蒸れ臭い状態になるまで商品価値を確認しないのも問題です。5感チェックという言葉がありますが、5感で調べるのです。嗅ぐ、食べるが抜けているからこのような状態になっていても気が付かないのだと思います。

これはご飯に限った話ではありません。お水もそうです。夏の暑い時期に、ぬるくて氷も入れず、カルキ臭がするお水が出てきただけでもう二度と行かないとなってしまいます。お店は普通でもお客様は期待値を高めているから、ギャップによって行かなくなるのです。

【飲食店の基本】

お客様に対し食の安全安心を提供すると思います。衛生管理上当たり前です。しかし、食の価値観を無くしてしまう事は重症です。どんなにお店側で頑張ってもお客様の期待値と合わないようであれば離れてしまいます。「品質・サービス・綺麗さ」この3つを兼ね備えていなければなりません。

普段から外食で言われる「QSC」です。基本を徹底する事は最も大事な事ですが、飲食店でメインディッシュだけを気にかけ、他の商品に目をかけず、気が付かないためにお客様が離れてしまうケースが見られます。

とにかく基本を守るために、商品含め全てを確認する必要があります。特に個人経営で飲食店をやられていて、誰からも確認の目が入らない飲食店は注意が必要となります。第三者の目や舌で確認をしていただく事で「ご飯」のような失敗を未然に防ぐことが出来ます。ただしチェーン店も例外ではありません。チェーン店もマニュアルで管理されていますが、確認を疎かにしてしまうと大事故に繋がります。

マニュアルは誰でも出来るように標準化されています。便利なツールです。しかし人間は楽な方に動こうとします。細かいチェックなどやりたく無いと心から思ってしまうので、その心理状態から見抜いて確認していく事で問題を潰しこめるのです。

【経営者の判断】

経営者と店舗の店長では考え方が一緒でなくてはなりません。しかし実態はかけ離れています。経営者が店長に対し望む事と店長では大きな開きがあります。それは経営者(雇う側)店長(雇われ側)であるためです。経営者は数値から判断して戦略を立てますが、店長は言われた事を忠実に行い結果給与として報酬を受け取ります。

経営者が店長と考え方を一緒にするには、経営者自身が現場に行って実際に確認する時間を持つことが大事です。経営者は机上の空論で物事を進めます。それはある意味仕方が無い事です。経営者自らずっと現場に立つわけにはいきません。

しかし、ここが店長との間に大きく溝を作ってしまうのです。現場の店長からすれば、「色々やれと言われるからやっているがこんなに言われても出来ない、現場に来てやってみろ!」と言っているのが店長の本音です。このような気持ちにさせてしまっているのがごく一部の経営者に見られます。

頭で分かっている事と現場でのギャップを埋めるため、現場で本音で声を聴く事が改善策に繋がります。よく現場の声を聞くために部下に任せて自分はずっと会社に閉じこもっている経営者がいますが、それは大きな間違いです。飲食店経営者に求められるのは頭だけで考えずに現場の状況を直接知る事であります。直接知らない限り、ギャップから大量退職に繋がります。

【お客様の期待値にこたえるために】

お客様の期待値は先ほど説明した通りです。期待値を知りつつ、店舗側で何をするべきかを明確にして継続して行う事でまた来て頂ける事になります。期待値はお客様によっても異なりますが、一旦お店に来店して頂いたのであれば、どのようなお客様であれ、期待値を下げるようにならないためにも「QSC」を最大限出す事が必須であります。

外食チェーンが生き残れているのは「QSC」の徹底です。ただ中にな残念ながら撤退された外食チェーンもあります。商品だけに目が行きがちな飲食店ですが、商品だけでなく全てに最高のものを提供する事で、お客様の期待値を高める役割を持っています。

特に、個人で経営されている飲食店で店舗年齢が比較的高いお店。歴史を感じて非常に良いお店もありますし、とても綺麗なお店もある一方で、店舗の外観から清潔感が無いようなお店もあります。お客様の期待値は「店舗の見た目」から始まります。「清潔感=安全安心」に繋がるのです。

【まとめ】

飲食店経営者は、お客様の期待値を知る事が大切です。その期待値は商品だけでない事を知る必要があります。たとえ商品は良くても接客対応がだめだった場合、もう二度とそのお店に来て頂けなくなります。期待値を高めるための総点検を経営者自ら現場で確認する必要があります。そして、従業員である店長と一つになるために現場で汗を流す事も時には必要でありますので、考えられてはどうでしょうか。

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